神山監督とタムラコータロー監督が好き。
I've Soundという音楽制作集団のぷち追っかけ。
■輪るピングドラム/晶馬×苹果
昼下がりの誘惑
「…荻野目さん?」
声をかけてみたけれど、彼女は起きる気配がない。どうやら疲れているらしい。
家に来る途中、電車の中でも眠たそうに瞼を擦ってはあくびを飲み込んでいた。
僕のパーカーを着て、ちゃぶ台の傍で丸くなっている荻野目さんは、すやすやと呑気に眠っている。
ずっと眠たそうな様子ではあったし、このまま寝かせておいてあげよう。でも、風邪を引いたら大変だからブランケットくらいはかけてあげたい。
僕が押入れからブランケットを引っ張り出してくると、荻野目さんはとんでもなく無防備にその白い足を晒していた。
寝返りを打ったのか、スカートが捲れ上がって下着が見えそうだ。見ようと思えば、本当に簡単に見れる。僕はその角度にドキリとしてしまいながら、ぶんと頭を振り悪魔の囁きを押しのけた。
見るつもりはないけれど、スカートは直しておいてあげた方がいいだろう。そう思い、僕は努めてスカートの奥にあるものを視界に入れないように手を伸ばす。
そうっと静かに乱れたスカートを直すと、僕はちらりと荻野目さんの寝顔を見つめた。
すやすやと緩んでいる頬は本当に何の警戒心も抱いていない。くたりと胸の前に落ちて丸められている手は、まるで子どのものようだ。
だぼついたパーカーの胸元が大きく開いていて、荻野目さんの鎖骨が見える。下手をしたら、そっちも下着が見えてしまいそうだ。またすごい角度から覗き込んでしまった気分で、僕は見てもいないのに少しばかり罪悪感を覚えて、さっと目を逸らした。
うぅん、と小さく呻いて、荻野目さんの足が動く。僕は動けない。
動けないで居る僕の目の前で、荻野目さんはまた、ぴらりとスカートの奥にあるものを見せようとしてくる。いや、本人は眠ってるからそういうつもりはないんだろうけど。
僕は溜め息を吐いて、もう一度、白い太腿をスカートで隠してやる。丈の短いスカートを精一杯に伸ばしても、荻野目さんの細い足が僕の視界から消えることはなかった。
ブランケットを広げて荻野目さんにかける前に、魔が差したのか、僕の手はその太腿に伸びていた。
触れると柔らかく、あたたかい。すべすべとしていた。荻野目さんの手とは、また違う感触。
「ん、……」
「っ……!?」
声が聞こえて、僕は慌てて手を引っ込めた。僕は、何を勝手に。荻野目さんの許可もなく、どこに触れていたのか。なんのために触れていたのか。ドキドキとうるさい心臓の理由は、たぶん、ひとつじゃない。
「しょーう…ま、くん」
「う、うん?」
たどたどしい呼び声に、僕の心臓はわるい意味でも騒ぎだす。
どうして荻野目さんの足に触れてしまったのか、僕の鼓動が歌いだす。
「……くー」
「…………はあ」
ふにゃりとした口元をそのままに、荻野目さんは再び眠りの海に意識を沈めた。
しばしの間、じっと寝息に耳を立てる。何の不安も抱いていない唇をうらめしく思いながら、僕は改めてブランケットを広げる。
穏やかに寝息を零している荻野目さんのすっと伸びた足が冷えないように、ブランケットをふわりとかけた。
「君は紛れもない女の子で、」
(僕は一応、男なんだからさ)
ぽつりと呟いた声に続く言葉は、君に届かない。今は、まだ。
■END
寝てる荻野目さんにむらむらする晶馬くんを書こうと思ったんですが、思ったよりむらむらしていない気がしました。
「…荻野目さん?」
声をかけてみたけれど、彼女は起きる気配がない。どうやら疲れているらしい。
家に来る途中、電車の中でも眠たそうに瞼を擦ってはあくびを飲み込んでいた。
僕のパーカーを着て、ちゃぶ台の傍で丸くなっている荻野目さんは、すやすやと呑気に眠っている。
ずっと眠たそうな様子ではあったし、このまま寝かせておいてあげよう。でも、風邪を引いたら大変だからブランケットくらいはかけてあげたい。
僕が押入れからブランケットを引っ張り出してくると、荻野目さんはとんでもなく無防備にその白い足を晒していた。
寝返りを打ったのか、スカートが捲れ上がって下着が見えそうだ。見ようと思えば、本当に簡単に見れる。僕はその角度にドキリとしてしまいながら、ぶんと頭を振り悪魔の囁きを押しのけた。
見るつもりはないけれど、スカートは直しておいてあげた方がいいだろう。そう思い、僕は努めてスカートの奥にあるものを視界に入れないように手を伸ばす。
そうっと静かに乱れたスカートを直すと、僕はちらりと荻野目さんの寝顔を見つめた。
すやすやと緩んでいる頬は本当に何の警戒心も抱いていない。くたりと胸の前に落ちて丸められている手は、まるで子どのものようだ。
だぼついたパーカーの胸元が大きく開いていて、荻野目さんの鎖骨が見える。下手をしたら、そっちも下着が見えてしまいそうだ。またすごい角度から覗き込んでしまった気分で、僕は見てもいないのに少しばかり罪悪感を覚えて、さっと目を逸らした。
うぅん、と小さく呻いて、荻野目さんの足が動く。僕は動けない。
動けないで居る僕の目の前で、荻野目さんはまた、ぴらりとスカートの奥にあるものを見せようとしてくる。いや、本人は眠ってるからそういうつもりはないんだろうけど。
僕は溜め息を吐いて、もう一度、白い太腿をスカートで隠してやる。丈の短いスカートを精一杯に伸ばしても、荻野目さんの細い足が僕の視界から消えることはなかった。
ブランケットを広げて荻野目さんにかける前に、魔が差したのか、僕の手はその太腿に伸びていた。
触れると柔らかく、あたたかい。すべすべとしていた。荻野目さんの手とは、また違う感触。
「ん、……」
「っ……!?」
声が聞こえて、僕は慌てて手を引っ込めた。僕は、何を勝手に。荻野目さんの許可もなく、どこに触れていたのか。なんのために触れていたのか。ドキドキとうるさい心臓の理由は、たぶん、ひとつじゃない。
「しょーう…ま、くん」
「う、うん?」
たどたどしい呼び声に、僕の心臓はわるい意味でも騒ぎだす。
どうして荻野目さんの足に触れてしまったのか、僕の鼓動が歌いだす。
「……くー」
「…………はあ」
ふにゃりとした口元をそのままに、荻野目さんは再び眠りの海に意識を沈めた。
しばしの間、じっと寝息に耳を立てる。何の不安も抱いていない唇をうらめしく思いながら、僕は改めてブランケットを広げる。
穏やかに寝息を零している荻野目さんのすっと伸びた足が冷えないように、ブランケットをふわりとかけた。
「君は紛れもない女の子で、」
(僕は一応、男なんだからさ)
ぽつりと呟いた声に続く言葉は、君に届かない。今は、まだ。
■END
寝てる荻野目さんにむらむらする晶馬くんを書こうと思ったんですが、思ったよりむらむらしていない気がしました。
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