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神山監督とタムラコータロー監督が好き。 I've Soundという音楽制作集団のぷち追っかけ。
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舞台ノラガミ 神と絆

※疑問まとめです。やや辛口な部分もあるかと思います。
 二期に満足している・引っ掛かりを覚えなかった方は、ご覧にならないことを推奨いたします。
※なんでも許せる方のみお付き合いください。
※苦情は受け付けておりません。



拍手[1回]





舞台の皆さん、とてもノラガミを大事に思って、舞台を作り上げてくださったのだと思います。
思わず涙したシーンもたくさんあります。ファンにはたまらない素敵な演出がいっぱいあって、キャラが動いてることが嬉しくて、とても感謝しています。

でも、だからこそ、設定に疑問が残る点といいますが、脚本に違和感を覚えてしまいました…。

本記事は二期で個人的に感じた
「ちょっとよくわからない」「筋が通らない」「これでよかったのだろうか」
といった部分をまとめたものになりますので、ある部分に対してそういうモヤモヤを抱いた方のみ、お付き合いください。
モヤモヤを一切抱かなかった方は、あまりすっきりしない話かと思いますので、そっと閉じることを推奨します。





繰り返しになってしまいますが、改めて警告させていただきます。

書くべきか迷ったのですが、どうしても分からなくて、書くことにしました。
表現が辛くなってしまうかもしれませんが、批判するつもりはありません。

舞台制作にもいろいろ事情・制約があるのでしょうし、キャストさん、スタッフさんの作品に対する情熱は本物だと感じます。
だから本当に、余計に、脚本が惜しい…そういう部分を洗い出しています。

書いて自分が整理したい、納得したいだけなので、これを見てくださってる方のモヤモヤが解消されるかどうかは分かりません。
それでもよろしければ、お付き合いください。











■疑問点は違和感のあるシーン

1.イサゴの神器「颯器」の能力はアリなのか
2.主を刺す条件
3.颯丸になぜ禊をかけなかったのか

★4.なぜ夜トにイサゴを斬らせたのか
★5.ひよりの役回り
 (5-1.ひよりが夜トにお社を渡す意味)
 (5-2.イサゴとの初戦が終わり、気落ちする雪音に話しかけるひよりに対する雪音と夜トの態度)
★6.雪音の心の隙

7.その他

1.~3.については設定的なところなので、明確にはなっていないため、答えを出すことはできないかもしれません。

この記事を書いているうちにはっきりしました。
★4.~6.夜ト、ひより、雪音、それぞれの解釈が私の中のそれとズレているから、違和感があるんだと…。
カテゴリ的にひより絡みのことが多いんですけど、たぶんそれは私が「壱岐ひより」というキャラクターをノラガミの世界観を表現するのに欠かせないもの、基盤として認識しているからです。
もちろん誰が欠けてもダメですし、夜トや雪音に感じた違和感もかなり大きな解釈違いなんですけど、今回の脚本を俯瞰してみた時、特に「壱岐ひより」というキャラクターに対する表現が足りていないように感じました…。

7.はその他のキャラについての細かいことですが、こちらもちょっと思うところがあったので書きます。

★について言及しようと洗い出した結果いろいろ出てきただけなので、★以外はスルーしてくださっても結構です。
書いているうちに、自分でもよく分からないと言いますか、★以外は受け取りかた次第だなあ、という気分になってきました…。

上記に共感を覚えられた方は、よかったらもう少しお付き合い願えますでしょうか。




■1.イサゴの神器「颯器」の能力はアリなのか

神器としての形状は手甲のようなもの。に見えましたが、間違っていたらすみません…。
夜トたちの会話や仕草から察するに、どうも神と神器に対して霧のようなものを発生させ、一時的に神と神器の感覚を遮断する能力を持っているようです。

霧が発生するのは映像演出から見て取れたのですが、なにかを発生させる神器は記憶にありません。
(変わっているという意味では、恵比寿様のところの邦弥さんは憑依型タイプの神器ですが、かなり系統が違います…。)
…書いたんですが、小福さんの黒器は風穴を発生させる神器なので、分類するとすれば、それと同類になるのでしょうか。

それはさておき、この手甲型の神器「颯器」には、3点ほど疑問があります。


>霧を発生させることができるのか

これは舞台ならでは、原作を知らない人に対する演出なのかなあ、とも思います。
神器としては疑問ですが、舞台演出と考えれば納得できたので、(発生タイプ黒器と同系統?+)そういう認識で(個人的には)解決です。


>神と神器の感覚遮断能力はもはやチート

野良ほどじゃないにしろ、これほど強力な能力は他にありません。(ぱっと思い付きません…)
「一時的な感覚遮断」から「神と神器の動揺を誘い」戦局を有利に動かす云々の話があったので、触れていることが分からない、間合いが読めない、みたいなものなのかな、と思いますが、なんでしょう…物理的に作用する力じゃない点に、違和感を拭えません。
(野良は名に罅を入れてたので、物理的に作用した力によって、神器が生前を思い出してしまう可能性が高まる…みたいな。あれ、逆かな。汗
 生前を思い出してしまうから名に罅が入る…ということだったら、野良も精神的な特殊攻撃タイプですよね。。
 後者の場合、颯丸の能力もその系統に入る、と言えなくもない…か…?)

兆麻にしろ雪音にしろ、主の声は聞こえていたようですし、夜トも毘沙門もそれに答えてたので、神器をまとった感覚だけを遮断してるみたいですね。
霧で視界が悪い&感触がないというのは、視界不良の中で手を繋いでいる筈なのに体温がない相手と手を繋いでいることが分からない、というものなんでしょうか。
あまり原作・アニメで触れられたことがない点ですが、神器の傷は主に響くのでしょうか…。
傷そのものは関係なくても、傷によって生じる痛覚や不安は、少なくとも主に伝わるのでしょうね。

野良の能力を精神面から作用する特殊攻撃タイプとするなら、颯丸もそれかもしれません。
能力の分類はそれで一応の筋が通る気がしますが、そういった特殊攻撃タイプの能力を授かる条件があるのでしょうか。
野良が強い(特殊能力を持つ)理由が不明なままなので、ここはなんとも言えませんね…。


>その特殊能力を破る策について

効力切れ、タイムリミットを待つしかない気がするんですが。それにこれ、慣れたら動揺もしなくなるような。
なにも知らない相手に初回だけ絶大に有効な闇討ちみたいなものって印象ですが、初めて襲われた時の打開策が思い付きません。

劇中、自信を失った雪音はずっとぐらついたまま、颯丸と対峙することに恐れを抱いています。
「どうすればいいのか、全然わかんねえんだよ」
倒し方が分からないと焦る雪音の不安はもっともです。
その、なんというか…打開策として納得のいく材料が揃ってないんです。
土壇場で感覚遮断をものともせずにイサゴの攻撃を受けるシーン、もうワンクッション欲しかったです。
神器の強さは感情や想いの強さ左右されるものだとしても、夜トの「おまえなら、なんとかなるんじゃねえの?」という言葉、どうも流れ的にしっくりこないんです。
夜トが雪音を信頼して何も言わなかった、成長のチャンスだと思って黙って見守っていた、のは、納得できます。
でも、雪音が「なにをきっかけに自信を取り戻したのか」が、私にはよく分からないのです…。
シーンが戻りますが、夜トの「ひよりのこともあんのか」発言から、その怠さが雪音の自信喪失とひよりに対する申し訳なさから来るものだ、とは読み取れますが、どのやりとりで雪音が自信を取り戻したのか、いまいちピンと来ませんでした…。
夜トの「おまえなら、なんとかなるんじゃねえの?」発言の前後の記憶が曖昧なのですが、ここで夜トが雪音のことを信頼している言葉をかけたから、雪音は戦える、戦わなきゃ、そうだひよりを守れるくらい強くならなきゃ、みたいな気持ちを抱いて、颯器の術(?)を破ったのでしょうか。
そういう解釈でいいのかしら…。雪音の気持ちを動かす台詞が思い出せないからモヤモヤしてるのかな…。



■2.主を刺す条件

神器が「悪いことをしている意識」が主を刺すのでしょうか…。
原作だと、雪音くんは窃盗や下心(ひよりに触ろうとした)、兆麻は毘沙門に対する下心、で主を刺しています。
天神様のところの神器は、此岸に対する妬みで主を刺したように見受けられました。
どれも「悪いことをしている自覚がある」状態だと思います。

それを条件だとすると、颯丸がイサゴを刺したのは、イサゴの「代替わりしても争いを続ける」意志に反する「イサゴに生きていてほしい」気持ちを抱いている後ろめたさ、が主を刺したのでしょうか…。

そういうふうに解釈してるのですが、いかんせん「主を刺す条件」が、考えてみれば自分の中できっちり説明できないので、この解釈でいいのかなあ、いいとしても指す理由が弱い気がするなあ、という状態です。。



■3.颯丸になぜ禊をかけなかったのか

イサゴを斬るより、颯丸に禊をかければ主のヤスみも消えるのでは?とも思ったんですが。
あそこで禊をすれば、全員が生き残ることもできた、かもしれない。
ただ、禊は術をかける側の命がかかっています。
失敗すれば颯丸が妖となって、襲い掛かってきますからね。
雪音の禊のときは、かなり切羽詰まった状況でした。
それを思うと、あいわかった、と簡単に禊で解決させるのもどうかなあ、というのがひとつ…。

颯丸の禊を、瑞丸と禄丸、雪音か兆麻の3人でやれば、舞台上ではうまくまとまったかもしれません。
ただ、個人的には、それは「ノラガミ」全体の作品を考えたときに、どうだろう…という気持ちです。
禊を受けた雪音が禊をする側となれば、とても成長したなあ、と思えるんですが、舞台の雪音がそれをやってしまうと、原作で(アニメで)見たかった…という人も、少なからずいるのではないでしょうか。

禊は命を賭した術という印象なので、さっきまで戦っていた相手のために、ええいいですよ、と簡単に手を差し伸べられるレベルのものでもないような…雪音も兆麻もそんなに心が狭くない、と思うんですけど、争いを願う人々が生んだ神・イサゴを助けるために、そこまでするか、正直疑問です…。

神である毘沙門と夜トは、すすんで「禊に手を貸してやれ」とは言わない気がします。。
唯一無二の神器を、祝を失うかもしれないこと、だと思うんですよね…禊って…。
(藍巴のときは仲間内で禊してましたけど、あれは身内、巴の一族だから、迷わずやるだろうなと思います。)

あと、主を刺すヤスみにも2種類あって、禊でどうにかなるものと、どうにもならないものがあるのかもしれないな、と思ったり。
主を刺す条件が明確になってないので、それもなんとも言えないんですけど…。
人間である私からすれば、颯丸の「主に生きてほしい」願いは、悪ではないので、禊でその本心を告白しても、主はそれを受け入れられないですし…うまく言えないんですが、今回の舞台に限って言えば、禊をしても祓えない類のヤスみもあるのかな、という考えを抱きました。

設定的な理由と、作品全体のバランスを考えて、あえて禊を行わなかったのかなあ、と思っています。
(個人的には、やっぱり雪音が禊に参加するのであれば、原作で拝見したいです。かつて禊を受けた雪音が、今度は禊ぐ番か…と思うと、とても感慨深いので、やるならぜひ原作で…。ただの願望、我が侭です。)







※改めて警告
…夜トとひよりと雪音の3人が好きで、この3人の関係性については自分の解釈があって、あまり落ち着いて説明できない部分があります。
あなたの気分を害してしまうかもしれません。
舞台を綺麗な思い出のままにしておきたい方は、どうかそっと閉じてください。。








★4.なぜ夜トにイサゴを斬らせたのか

禊はともかく。(いったん置いといて)(禊げない理由が自分の中では、上記のいずれかかな、と納得できなくもないので)

これも違和感というか、ここが一番、脚本上よく理解できてないシーンでして。
「このままじゃこいつらがつらい。おれの身体ごと、縁を切ってくれねえか」
イサゴがこう言って、夜トがその頼みを聞き入れ、イサゴを斬るんですが…。

これ、イサゴの身体と一緒に、なんの縁を斬ったのだろう…。
イサゴが案じているのは自分の神器たちのことでしょう。
このまま(縁が繋がったまま)だと、こいつらがつらい。
じゃあ、縁を切るのは、神器と…イサゴの縁なんでしょうか。

主と神器の縁って、切れるものなのでしょうか。
縁が切れたとしても、主従契約(関係)は主が名を放たない限り切れないので、「縁を切る」ことが何を示すのか分かりません。
夜トは誰と誰の縁を切ったんでしょうか。
主語がなく、縁を切ってどういうメリットがあるのかも読み取れなかったため、見当もつきません…。

また、夜トが「死にたがっているイサゴの願いを聞き入れる」とも、私には思えません。
夜トは代替わりできませんし、(原作の)最初から「死にたがっているもの」に対して厳しいスタンスです。

舞台の時系列は不明瞭ですが、恵比寿さまの件を思うと、(代替わり可能でも)「今の自分を蔑ろにするようなこと」は許せないと思うんですよね…。
心情的には颯丸の気持ちに傾きそうというか、なんとかイサゴを生かして、颯丸に「もうイサゴを代替わりさせんなよ」くらいのこと言いそうなイメージなんです…。

もうひとつ。毘沙門編で、夜トが雪器を使って毘沙門を殺そうとするシーンがあります。
もうそれしかない、という状況で、
「斬るのはオレだ、おまえじゃない。神殺しなんてたいしたことじゃない」
このように、雪音をかばうというか、雪音を気遣い、自分ですべて背負い込もうとする台詞があります。
夜トは、雪音に「命を奪う行為」をしてほしくない、と思うんです…。
雪音も人を斬ることを怖がっていて、毘沙門を斬ることにも抵抗を覚えていた。
この時は、そうするしかないから、苦渋の決断だったと思うんですが、イサゴのときはそういう葛藤もなく、イサゴを斬っていたように見えてしまいます…。

どうにも、ここで夜トがイサゴを斬るのは、筋が通りません。(私の中で)



★5.ひよりの役回り

正直に申し上げますと、ひよりの役回りが腑に落ちません。
言葉は悪いですが、今回の脚本、ひよりが役に立ったと言えるシーン、…あんまりない…気がします。(つらい)
めちゃくちゃ可愛かったけど!! 夜トと雪音の心の支えになっていたのは間違いないんですけど、その伝え方が不十分だと思うんです…。

このへんについて疑問を抱かなかった方は、きっと読んでもエッ?ってなると思うのでスルーしてください寧ろ今すぐ閉じてください、このさき気分良くないと思うのです…。(お願いします)



★5-1.ひよりが夜トにお社を渡す意味

序盤で、ひよりが夜トにお社を渡す回想シーンが出てきます。
これは原作とは違う流れで、お社を渡す経緯がまったく説明されていません。
初見さんへの関係性説明としてお社を渡した意味合いが強い気がします。
関係性の説明は必要なので、そういうシーンを入れてくれたのは良いんです…。

この時点で、「夜トにとってひよりは大事な人間」という図ができあがった筈なんですが、肝心の「お社を渡す経緯」がブラックボックスすぎて、たぶん舞台だけ見てる人には、お社を渡したことの重みが、残念ながらほとんど伝わらない気がします…。
お社受け取ったとき、夜トが泣いて喜んでいたら、夜トがどれだけお社を欲しがっていたが、もうちょっと印象付けられそうでしたが…。
泣いてなかったと思います。回想なのでお社を渡したときのやりとり(台詞)もなく、詳細は不明でした。

このシーンの演出も関係性を説明する上では弱いなあ、と思ったんですが、問題なのはこの状態でお社を最後まで出さなかったこと、な気がします。
お社、中盤一切(シナリオに絡んでこない)出てこないんですよ。
夜トがお社を見つめてたり、大事そうに持ってるシーンはあるんですけど、小道具、演出の域を出ません。
序盤の「ひよりが夜トにお社を渡したシーン」を覚えていないと、その意味を想像できないと、日常の演出としても途端に印象が薄れてしまいます。もったいない。

そして最後のシーンで、お社が再登場するのですが…やっぱり、ちょっと、初見さんには意図が伝わりにくい気がします。。
雪音が「今までとはもう違うだろ(ひよりが居るんだから)」と言いながら夜トの後ろへ目を向け、夜トが振り返ると、お社を持ったひよりがにっこりとふたりの傍へ歩いてきて、お話が終わります。

おハズカシイ話なんですが、お社の扱いが私の思っていたものと違ったので(あまり重要視されてない印象だったので)(シナリオに絡んでこないため)最後のシーンの意味がよく分かっておらず、人様に聴いて、ようやく意味がわかりました…。
雪音が「今までとはもう違うだろ」と言ってひよりのほうを向いたのは、ひよりが居るから、ひよりのお社があるから、なんですね…。
私だけかもしれませんが、自力でそこに気付けませんでした…それだけ私にとって、今回の舞台のお社の扱いが、いまいちピンとこなかったんですね…。それはそれで、自分でもショックです。(苦笑)

中盤にお社が絡んでこないのは別にいいんです。
終盤にお社を持ってきて、ひよりが居るから、ひよりがお社をくれたから、というかたちで締めるなら、序盤のお社を渡す回想シーンに、もうちょっと肉付けしてもらえたら嬉しかったなあ(初見さんにも、もうちょっと良い意味で重く受け止めてもらえたかなあ)と思います。

※初見さんのお話をうかがったわけではないので、初見さん云々は完全に想像です。



★5-2.イサゴとの初戦が終わり、気落ちする雪音に話しかけるひよりに対する雪音と夜トの態度

夜トと雪音を元に戻したいひよりが、雪音(と夜ト)に直接「元気に笑ってるふたりが大好き」というようなことを言うんですが、私の中のひよりは本人相手にこういうことを言わない解釈だったので、ちょっと衝撃でした。
ぎくしゃくしている雪音(と夜ト)に、いつものように戻ってほしい気持ちは、とてもよくわかります。
ただ、本人にそれを伝えたところで、余計にぎくしゃくしてしまうと思うのです…。
ひよりはそれを理解して、ぐっと堪えて、自分がいつものようにふるまって、それとなく空気をやわらげる子、という解釈です。(私の頭の中のひよりは)
だから、雪音本人に「いつもと違うこと」を悟らせてしまう発言に、違和感を覚えました。

そのひよりに対する雪音の態度も、個人的には違和感があります。
「いきなりどうしたんだよ、ひより」というようなセリフがあった気がするんですけど、ノラガミ界隈一ジェントルな雪音くんが、気遣ってくれているひよりを突き放すようなことは、言わないように思いました…。

ひよりの「大好き」云々に関する夜トの対応も、ちょっと弱いと言いますか。
もっと大喜びするか、照れるか…しそうだなあと思ったんですが、雪音の暗い気持ちがダイレクトに伝わって来ている状況だったので、あのくらいのリアクション(ひよりをおちょくる)でも、そんなに変じゃないかもしれません。

このシーンは、(ひよりと雪音は)そんなふうに言わないんじゃないかなあ、と感じてしまいました.…。



★5.ひよりの役回り

…上記を踏まえて、あまり言葉はよくないんですが、そういう表現をあえて使わせていただきます。
今回のこの話、彼女を抜いてもシナリオ進んじゃいませんか…?

というのも、
「お社を渡す意味」の印象付け、3人の関係性の説明が不十分なので、
ラストシーンの締めくくりが、いまいち(私の中で)しっくり来ないのです。
そういうふうに締めくくりたいんだな、という方向性は分かりましたが、それにしては彼女の役回りが惜しいというか、出番が不足しているというか、…彼女を物語のキーパーソンとして出してほしかったなあ、と思います。

思い返してみて、彼女が役立ったシーンはここです!…と、自信をもって言えません。
夜トと雪音が壁を乗り換える際に、ひよりの言葉が支えとなった、というふうに読み取れたなら、納得できたんですが…。(そういうシーンありましたっけ…)
最後の戦いでも、雪音が気合で謎の術(颯丸の感覚遮断)を破った、というふうに私には見えてしまって、あそこも、あと一押しそれらしい打開策(それっぽく理論づいたもの)が欲しかったんですが…。
ひよりの言葉を思い出して、雪音が気合を入れなおす演出があれば、かなり印象も変わってきたと思うんです…。
(そういうふうに読み取ってもらいたかったのか分かりませんが。)

今回の脚本、ノラガミという世界の基盤である3人の関係性が、私の解釈と違っていたようで、違和感を拭い去れません。
夜トと雪音の信頼関係は、よく表現できていたと思います。(颯丸の攻撃に打ち勝てた理由をあと一押ししてほしかった点を除けば)
雪音とひよりの家族のような関係(姉弟関係)も、(私が表現方法に納得しかねるだけで)お客さんには読みとれていたと思います。
ただ、夜トにとってのひより、夜トと雪音ふたりにとってのひより、の表現がちょっと私のイメージと違うと言えばいいのでしょうか…。

言葉を選ばないで言わせていただくと、この脚本、ひよりがただのJKという印象なんです…。
彼女はなんの力も持たないただのJKですが、心が強いんです。
大人しく待ってるだけのヒロインじゃないんです。
夜トや雪音のために、いま自分に何ができるかを考え、それを実行に移せる強い子なんです。
今回は、そんな彼女の強い意志が描ききれていないように思えます。
(一言でいうと、それが(私と脚本との)解釈違いなのかもしれません…)

前回の舞台は(一回見ただけでおぼろげな記憶になってしまってますが)ちゃんと夜ト、ひより、雪音の3人の信頼関係があってこそ、成り立つ、打ち勝てた脚本だった覚えがあります。
でも、今回のシナリオはそこまで思えませんでした…私の読解力が不足しているだけの可能性も、十分にあります。
そういうところが読み取れてなかったら、たいへん申し訳ないです…。

脚本に違和感があるだけで、役者さんはみなさん、本当に素晴らしい演技をしてくださっています。
演出まわりも、とても考えて作ってくださっているんだなあと思います。
ノラガミという世界観を全力で表現してくれようとしてくださっているからこそ、脚本が惜しくて、もったいなくて…モヤモヤを記させていただきました。



★6.雪音の心の隙

舞台という媒体の性質上、ある程度のオーバーリアクションが必要なのはわかるんですが…。
ちょっと雪音のメンタル、ぐらつきやすい(揺らぎすぎな)印象を受けました。

「祝の器」であり、夜トを福の神として導く「道標」であるのなら、もう少し落ち着いていてもいいように思います…。
道標であることは、天神様の説明にあったので、変に意識して見てしまっただけかもしれませんが。
雪音は本来たったの14歳なので、年相応の動揺っぷりと言えばそうなのかもしれませんが、ぐらぐらしすぎて、その精神状態からどう回復したのかが私にはうまく読み取れなくて、いまいち雪音の頼もしさが表現しきれていないように感じられました。

夜トをガミガミ叱りつけているわりには、(劇中)自分の意志でしっかりとした何かを成し遂げられたようには見えなかったというか…。
打開策のない厄介な颯丸の「感覚遮断」攻撃に怯えて、不安がって、当たり散らしているシーンのほうが残ってしまっていて、それを払拭する格好良い雪音が見たかったなと。(苦笑)

舞台という媒体の性質上は仕方ないのかもしれませんけど、雪音はもっと、こう…紳士的で、気遣いのできる、心優しい男の子だと思います。



■7.その他

・ふたりに元に戻ってほしくて項垂れるひよりに「ひよりちゃんが口出しできることじゃない」と言う大黒

ひよりと雪音に出逢う前の夜トを知ってる大黒が、こんなふうに言うかな、と、引っかかってしまいました…ちょっと冷ややかな印象。。
夜トにとってひよりが大事な存在であること、ひよりにとっても夜トと雪音は特別であること、を間近で見ている大黒は、ひよりに対してあまり否定的な言葉を使わないイメージなので、この台詞は少しショックでした。

確かにそうかもしれないんですが、私の思う大黒は、
「ひよりちゃんはいつもみたいにしてたらいい。そのほうがあいつらもほっとするだろ」
というような…ことを言うと思っていたので、大黒がはっきりとした線引きを口にしたことに、驚きを隠せませんでした。


・男性陣のギャグバランス

舞台なのでオーバーリアクションしてなんぼ、という部分もあるのかもしれませんが、大黒と兆麻さん、かなりギャグ寄りでしたね…ギャグ要員みたいになってました。笑
あれはあれで好きなので、拝見できて楽しいのですが、兆麻はシリアスとギャグのギャップがあってこそ光り輝くと思うので、もうちょっとシリアスな部分を出していただいても…というか、「毘沙門さま」と「ヴィーナ」の使い分けができていたら、より良かったなあと思います。
(なんかシリアスな場面でも「ヴィーナ」呼びしてませんでしたか…?
 勘違いだったら本当にすみません。すごく細かいことなので、気にするほうが変かもしれません…。)

大黒は小福さんらぶ!全開で嬉しいんですけど、いいのか?そこまでラブパワー全開でいいのか!?とこっちがドキソワするくらいカミさんラブでした。笑
楽しいんですけど、あの大黒がここまで…と。小福さんを拗らせてるシーンが原作よりあっさり出てくる、という感じでしょうか。
ちょっとびっくりするくらいでした。つまりご褒美ですね、ありがとうございました。笑




…と、以上がモヤモヤ~としていた点です。(大黒のカミさんラブは…あまりモヤってないので、ここに書くべきじゃないんですが。。)
いろいろ書きましたが、私の中で一番大きいのは、夜トがイサゴを斬ったことと、ひより絡みのあれこれです。

舞台を見ている時はとても楽しくて、いっぱい泣いて、胸の中のしこりが言葉にできなかったんですが、落ち着いて振り返ってみたら、やっぱりうーん?と思ったことを書かせていただきました。
自分の中で筋が通らなくて、疑問となってしまったことを整理したくて、すっきりしたくて書きだしただけなので、批判するつもりはまったくありません。

ただ、惜しいなと思います。
オリジナル要素を含めた脚本で、あの世界観、あの人数の関係性をうまく表現することは、とても難しいことだと思いますが、もし次回があるのなら、ノラガミという世界を構築する上で大事な「夜ト、ひより、雪音、3人の関係性」を、もう少し踏み込んで表現してくださると、より深みが出てくるんじゃないかな、と思います。


ここまでお付き合いしてくださり、ありがとうございました。
読んでくださった方の気分が害されていないことを祈ります。
また、どこかの解釈で「ああ、そういうことか」「そういう考えもあるんだな」と思っていただけていたら、ありがたいです。

それでは、乱文、失礼いたしました。

※舞台、良いところもたくさんあります。
 それは こっち で書いてるので、よかったらそちらもご覧ください。
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