神山監督とタムラコータロー監督が好き。
I've Soundという音楽制作集団のぷち追っかけ。
■あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない/鳴子中心
※第四話『白の、リボンのワンピース』より。
※第四話『白の、リボンのワンピース』より。
ナミダイロ/第四話『白の、リボンのワンピース』
「おーい、めんまあー、何処だー!」
秘密基地へ戻る途中、久川 鉄道は諦めもせずに本間 芽衣子の姿を探し続けていた。
夜の山道はとても暗く、初秋の風は冷たく肌をなぞる。
大きな声で呼びかけを続けながら、きょろきょろと辺りを見回す久川の後ろで、宿海 仁太は俯いて溜め息を零した。
(めんまは…)
足元に視線を落としながら、仁太は唇を噛む。
めんまを見た、と言ったのは幼馴染の松雪 集だ。
「めんまぁー」
「めんま、めんまー、どこー?」
久川に続いて、めんま本人が楽しそうにめんまを探している。
夏の獣のあの少女は、単純にかつての友人らと共に過ごせることが嬉しいのだろう。
幼い瞳をきらきらとさせて、夜の山道を楽しげに歩く。
少女の姿が見えるのも、声を聴けるのも仁太だけだ。
他の誰にも、彼女は見えていない、筈だ。
不確かな目撃証言はある。
しかし、それは仁太の見ている─── ここに居る少女のことではないだろう。
難しい顔で秘密基地へ戻る彼の表情は、後続する女性陣には見えていない。
考え事をしている仁太の後姿は、めんまが見付からず肩を落としているようにも受け取れる。
安城 鳴子は物憂げに目を細めて、思わず自身の肩を抱いた。
腕を撫でるようにして、鳴子は歩を緩める。
『バカだろ、おまえ』
暗がりの中で足を滑らせた鳴子を、仁太が助けたのは、ついさっきのことだ。
崖から落ちそうになったことに、仁太が何を思ったのか。
めんまみたいに、と口走った仁太の声は、とても苦しげだった。
零れてしまった涙の意味を、彼には悟られなかっただろうか。
自分でもよく分からないうちに涙が流れてしまっていた。
ごく自然に溢れ出てきた滴は、すんなりと夜に溶けて消えたけれど。
「寒いの?」
「…え?」
ぼんやりとしていた鳴子に、鶴見 知利子が声をかけた。
赤いフレームの眼鏡の奥から、落ち着いた眼差しが鳴子を見ている。
初秋とはいえ、まだまだ暑い。地球温暖化の影響かどうかは知らないが、半袖でも寒いとは思わない程度の気温だった。
鳴子は目をぱちりとさせ、ううん、と首を振った。
そう、と知利子は目を伏せる。
そこでようやく、鳴子は何故そう問われたのか、原因に気が付いた。
白いミニのワンピース一枚で、肩を抱いていれば、寒そうに見えるのも頷ける。
心配をかけてしまった、のだろうか。
久しく会っていなかった上に、学校も違う。レベル差は明らかで、いつか忘れ物のノートを返しに行った時は、みっともないけど泣いてしまった。
めんまのこともショックだったけれど、知利子の態度が鳴子の胸に突き刺さったのだ。
あんなことがあったものだから、鳴子は正直どう接していいのか分からなかった。
そんな鳴子に、知利子は淡々とした態度を取っていたけれど、鳴子が思うほど知利子は自分のことを煙たがっていないのではないのかもしれない。
「そんな格好で来るから」
「だ、だから寒くないって言ってるでしょっ」
「じゃあ腕、どうかしたの?」
「え、」
言われてハッとする。
仁太に掴まれた腕を、抱いていたことに。
「…なんでも、ない」
「そう」
憮然とした表情で、鳴子は呻いた。
あの瞬間、ドキドキしたのは自分だけだ。
仁太はそんなこと欠片も思っていない。
仁太が抱いたドキドキは、もっと空恐ろしい、冷たいものだったのだから。
苛立ちを押し殺した彼の声が、鳴子の耳に残っている。
『おまえまで…』
鳴子は、唇を噛む。
いつまでも、彼の心には、めんまが居るのだろう。
自分の胸の中にだって、彼女は居る。満面の笑み。可愛いめんま。大事なめんま。もう会えない友達。
周囲に流されやすい自分は、あの頃もめんまに憧れていたのかもしれない。
だから、敵わない。憧れているだけで、真似しているだけで、自分があやふやで。
だから、叶わない? この気持ちも、憧れだけ?
そうは思えない。あの頃から、ちっとも変わらない。変われなかった。
知利子に追い抜かされて、鳴子は顔を上げる。
前を向けば、なにか騒いでいる久川に突っ込んでいる仁太がいて。
ふ、と目が合う。仁太は何も言わず、久川との会話に戻った。
初秋の夜風が、いまさら冷たく感じられて、鼻の奥が、少しだけつんとした。
■END
最近アニメ見始めました。あの花は毎回泣いてるんですが4話は号泣できなかったですね。主にユキアツが回を追うごとに異様な存在感を…(笑)
今年は殆ど何も書いてなくて、ほんと久しぶりに書けました。
スキルは全然だし、指も鈍っていて、ダメダメですけど…。
いつもゲームをオススメしてくださっているS様、大変あったかいメールを頂戴して、とても元気が出ました!
お返事まだ書けてません…。ごめんなさい…。
心境の変化というか、なんていうか。人生は迷い道です。
書こうと思えないというか、趣味に興じるには自身に余裕が必須だなあと思って。
どうもあんまり余裕ないみたいです。だからホントに久しぶりです。
別館も何もできず、本館は停止状態で。うpしてないTOVの話とかあるんですけど。
あ、そういえば現在、後輩くんに借りたTOLプレイ中です。
哀華さん的に結構、衝撃的なこと?がちょいちょいあったらしくて、もやもやというか、上手く現実を受け入れられないというか、慣れるのに時間がかかっちゃってるようです。意外。
どこにぶつけていいのか、分からない気持ちがあって、とても書けない状態に陥ってしまった、らしい。
極端に言えば萌えってなんだっけー、状態に。どっかんと爆発する萌えがないんですよね。こまった。
アニメは、あの花、俺つば、C、犬日々…くらいかな? 見てるの。
花咲くいろはは一話で合わないと感じて切っちゃいました。
タイガー&バーナビーだっけ、あれは面白いんだろうけど、ニーズが違うと感じて二話で切っちゃいました。
シュタゲは後輩くんに一気に見た方がいいかもと言われたので撮り溜めです。
あ、そういうわけでテレビとトルネ買いました。
3話までは、あの花、神だったんだけどなあ…毎回、号泣。いや4話はユキアツさんがね…(笑)もちろん期待して続きを見るのです。ていうか秩父行きたい。
次に面白いのは、俺つば、かなあ。原作やりたいけど完結してないというか完全版はシナリオライターが違うとかなんとか…やりたいけどスッキリしないのかなあという不安。
Cは面白いとは思うけど、主人公に感情移入があんまりできてない。けっこーシビアなお話。
犬日々はI'veがBGMと挿入歌担当するっていうんで見始めたのですが、何も考えずに安心して見られるアニメかな。
シナリオ重視の人には、2話くらいまでgdgdに見えるかもしれないけど、4話くらいまで見ると、シナリオもちゃんとありそう。な、気がしてきた。
生産性のないオタクで残念な感じなのですがorz
今後もなんか書いていきたいなあと思いはしてるのです…。
その場で言いたいことぽんぽん呟く某所の影響もあるけどね。
需要がゼロに近いとは思う、あの花のお話、でした。
見てくれた方、いらっしゃいましたら、どうもありがとうございます。
「おーい、めんまあー、何処だー!」
秘密基地へ戻る途中、久川 鉄道は諦めもせずに本間 芽衣子の姿を探し続けていた。
夜の山道はとても暗く、初秋の風は冷たく肌をなぞる。
大きな声で呼びかけを続けながら、きょろきょろと辺りを見回す久川の後ろで、宿海 仁太は俯いて溜め息を零した。
(めんまは…)
足元に視線を落としながら、仁太は唇を噛む。
めんまを見た、と言ったのは幼馴染の松雪 集だ。
「めんまぁー」
「めんま、めんまー、どこー?」
久川に続いて、めんま本人が楽しそうにめんまを探している。
夏の獣のあの少女は、単純にかつての友人らと共に過ごせることが嬉しいのだろう。
幼い瞳をきらきらとさせて、夜の山道を楽しげに歩く。
少女の姿が見えるのも、声を聴けるのも仁太だけだ。
他の誰にも、彼女は見えていない、筈だ。
不確かな目撃証言はある。
しかし、それは仁太の見ている─── ここに居る少女のことではないだろう。
難しい顔で秘密基地へ戻る彼の表情は、後続する女性陣には見えていない。
考え事をしている仁太の後姿は、めんまが見付からず肩を落としているようにも受け取れる。
安城 鳴子は物憂げに目を細めて、思わず自身の肩を抱いた。
腕を撫でるようにして、鳴子は歩を緩める。
『バカだろ、おまえ』
暗がりの中で足を滑らせた鳴子を、仁太が助けたのは、ついさっきのことだ。
崖から落ちそうになったことに、仁太が何を思ったのか。
めんまみたいに、と口走った仁太の声は、とても苦しげだった。
零れてしまった涙の意味を、彼には悟られなかっただろうか。
自分でもよく分からないうちに涙が流れてしまっていた。
ごく自然に溢れ出てきた滴は、すんなりと夜に溶けて消えたけれど。
「寒いの?」
「…え?」
ぼんやりとしていた鳴子に、鶴見 知利子が声をかけた。
赤いフレームの眼鏡の奥から、落ち着いた眼差しが鳴子を見ている。
初秋とはいえ、まだまだ暑い。地球温暖化の影響かどうかは知らないが、半袖でも寒いとは思わない程度の気温だった。
鳴子は目をぱちりとさせ、ううん、と首を振った。
そう、と知利子は目を伏せる。
そこでようやく、鳴子は何故そう問われたのか、原因に気が付いた。
白いミニのワンピース一枚で、肩を抱いていれば、寒そうに見えるのも頷ける。
心配をかけてしまった、のだろうか。
久しく会っていなかった上に、学校も違う。レベル差は明らかで、いつか忘れ物のノートを返しに行った時は、みっともないけど泣いてしまった。
めんまのこともショックだったけれど、知利子の態度が鳴子の胸に突き刺さったのだ。
あんなことがあったものだから、鳴子は正直どう接していいのか分からなかった。
そんな鳴子に、知利子は淡々とした態度を取っていたけれど、鳴子が思うほど知利子は自分のことを煙たがっていないのではないのかもしれない。
「そんな格好で来るから」
「だ、だから寒くないって言ってるでしょっ」
「じゃあ腕、どうかしたの?」
「え、」
言われてハッとする。
仁太に掴まれた腕を、抱いていたことに。
「…なんでも、ない」
「そう」
憮然とした表情で、鳴子は呻いた。
あの瞬間、ドキドキしたのは自分だけだ。
仁太はそんなこと欠片も思っていない。
仁太が抱いたドキドキは、もっと空恐ろしい、冷たいものだったのだから。
苛立ちを押し殺した彼の声が、鳴子の耳に残っている。
『おまえまで…』
鳴子は、唇を噛む。
いつまでも、彼の心には、めんまが居るのだろう。
自分の胸の中にだって、彼女は居る。満面の笑み。可愛いめんま。大事なめんま。もう会えない友達。
周囲に流されやすい自分は、あの頃もめんまに憧れていたのかもしれない。
だから、敵わない。憧れているだけで、真似しているだけで、自分があやふやで。
だから、叶わない? この気持ちも、憧れだけ?
そうは思えない。あの頃から、ちっとも変わらない。変われなかった。
知利子に追い抜かされて、鳴子は顔を上げる。
前を向けば、なにか騒いでいる久川に突っ込んでいる仁太がいて。
ふ、と目が合う。仁太は何も言わず、久川との会話に戻った。
初秋の夜風が、いまさら冷たく感じられて、鼻の奥が、少しだけつんとした。
■END
最近アニメ見始めました。あの花は毎回泣いてるんですが4話は号泣できなかったですね。主にユキアツが回を追うごとに異様な存在感を…(笑)
今年は殆ど何も書いてなくて、ほんと久しぶりに書けました。
スキルは全然だし、指も鈍っていて、ダメダメですけど…。
いつもゲームをオススメしてくださっているS様、大変あったかいメールを頂戴して、とても元気が出ました!
お返事まだ書けてません…。ごめんなさい…。
心境の変化というか、なんていうか。人生は迷い道です。
書こうと思えないというか、趣味に興じるには自身に余裕が必須だなあと思って。
どうもあんまり余裕ないみたいです。だからホントに久しぶりです。
別館も何もできず、本館は停止状態で。うpしてないTOVの話とかあるんですけど。
あ、そういえば現在、後輩くんに借りたTOLプレイ中です。
哀華さん的に結構、衝撃的なこと?がちょいちょいあったらしくて、もやもやというか、上手く現実を受け入れられないというか、慣れるのに時間がかかっちゃってるようです。意外。
どこにぶつけていいのか、分からない気持ちがあって、とても書けない状態に陥ってしまった、らしい。
極端に言えば萌えってなんだっけー、状態に。どっかんと爆発する萌えがないんですよね。こまった。
アニメは、あの花、俺つば、C、犬日々…くらいかな? 見てるの。
花咲くいろはは一話で合わないと感じて切っちゃいました。
タイガー&バーナビーだっけ、あれは面白いんだろうけど、ニーズが違うと感じて二話で切っちゃいました。
シュタゲは後輩くんに一気に見た方がいいかもと言われたので撮り溜めです。
あ、そういうわけでテレビとトルネ買いました。
3話までは、あの花、神だったんだけどなあ…毎回、号泣。いや4話はユキアツさんがね…(笑)もちろん期待して続きを見るのです。ていうか秩父行きたい。
次に面白いのは、俺つば、かなあ。原作やりたいけど完結してないというか完全版はシナリオライターが違うとかなんとか…やりたいけどスッキリしないのかなあという不安。
Cは面白いとは思うけど、主人公に感情移入があんまりできてない。けっこーシビアなお話。
犬日々はI'veがBGMと挿入歌担当するっていうんで見始めたのですが、何も考えずに安心して見られるアニメかな。
シナリオ重視の人には、2話くらいまでgdgdに見えるかもしれないけど、4話くらいまで見ると、シナリオもちゃんとありそう。な、気がしてきた。
生産性のないオタクで残念な感じなのですがorz
今後もなんか書いていきたいなあと思いはしてるのです…。
その場で言いたいことぽんぽん呟く某所の影響もあるけどね。
需要がゼロに近いとは思う、あの花のお話、でした。
見てくれた方、いらっしゃいましたら、どうもありがとうございます。
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