神山監督とタムラコータロー監督が好き。
I've Soundという音楽制作集団のぷち追っかけ。
■Angel Beats!/ひなユイ前提、日向と音無
※第10話『Goodbye Days』の後のお話です。ネタバレ含むのでご注意下さい。
※第10話『Goodbye Days』の後のお話です。ネタバレ含むのでご注意下さい。
約束されない、この先の道で
眩しさに目を細めたら、風が吹き抜けて砂が舞い上がる。
グランドを照らす西日の中で、ぽつりとひとつ、野球ボールが転がっていた。
日向はそれを拾い上げると、軽く投げて、キャッチする。
使い込まれたボールを空へ投げては、ぱしぱしとキャッチする日向を見て、音無はかける言葉を持たなかった。
ひゅう、音を立てて風が何かを運んでいく。
奪い去っていくようにも、運んでいくようにも聴こえた。
「日向」
「ん?」
グランドと野球ボール。
どうしても、彼女が消えてしまった瞬間が、脳裏を過ぎる。
音無は拳を握り締めた。この世界から、みんなを送り出す。そう決めた。
だから、彼女が此処から旅立って行けたことは、喜ぶべきなのだ。
自分にそう語りかける。そう納得できる、けれど、彼はどうなのだろうか。
良かったのか、と問いかけて。
良かったさ、と彼は笑った。
でも、それは本当なのだろうか。本心なのだろうか。
今の日向は、感傷に浸っている風に見えて、音無は口を噤む。
ぱしぱし。ぱし。ボールを投げながら、日向はふと微笑んだ。
「結婚が女の夢だなんて、あいつ意外とロマンチストだよなぁ」
自らその話題に触れる日向に、少なからず音無は驚いた。
ぱしり。日向はボールを投げるのを止めて、倉庫へ歩き出した。
少し遅れて、音無は日向の後に続く。
「…女の子なんて、そんなもんだろ」
「そんなもんか?」
「たぶん」
「…そんなもん、か」
ふーん、と空を見上げる日向。
無言のまま倉庫へボールを戻す。
教室へ戻ろうと歩いていた途中、グランドの真ん中で立ち止まると、日向は思い切り伸びをした。
「なあ、日向、」
「んあー?」
「お前、ユイのこと、」
好きだったのか。
そう問う前に、ひゅう、ひときわ強い風が吹き抜けていく。
日向は風が向かった先へ目を向けて、そして何も言えないでいる音無へ向き直る。
「逢えると思うか?」
「……」
「わかんないだろ。でも信じるのは勝手だから、いつか逢えるさ。約束したしな。とりあえず、俺は野球であいつんちの窓割らなきゃいけねー」
「ユイに怪我させたら感動ゼロだぞ」
「そりゃヤベーな。気をつけなきゃな、覚えてたら」
いつものように笑って、日向はくるりを背を向ける。
覚えてたら。
日向は、消え入りそうな声でそう言った。
それだけで、胸が締め付けられた。
校舎に向かって歩き出した彼の背中は、すこしだけ寂しげに、見えた。
■END
後輩くんに借りたAB!を日向の中の人目当てに見てみたら、流石は鍵、やはり泣いてしまったわよ…。
ゆりっぺが意外とヒロインっぽくなかった。鍵は世界観を理解しづらいかもしれない、私にとっては…。
第10話を見て、ひなユイ! きゃー! となった。
ぶっちゃけ日向←ユイ表現はあったけど、日向はそんなに表現してなかったよね、愛情。
告白には…ひあああ、ってなったよ。日向好きだ! 最初から好きでしたけどもっと好きだわ日向!
借りたBD全部見て、ひなユイに滾ったから書いてみたんですけど、日向もユイも掴めない(爆)
どの時点のお話にすればいいのやら…という悩みもありまして。原作主義なので一応…。
結局ユイが消えてしまった後のお話に。
ひなユイ、しあわせに、なってほしいな。
AB!の世界観は理解しきれていないけれど、来世ではどうか。しあわせに。
お付き合いありがとうございました。
眩しさに目を細めたら、風が吹き抜けて砂が舞い上がる。
グランドを照らす西日の中で、ぽつりとひとつ、野球ボールが転がっていた。
日向はそれを拾い上げると、軽く投げて、キャッチする。
使い込まれたボールを空へ投げては、ぱしぱしとキャッチする日向を見て、音無はかける言葉を持たなかった。
ひゅう、音を立てて風が何かを運んでいく。
奪い去っていくようにも、運んでいくようにも聴こえた。
「日向」
「ん?」
グランドと野球ボール。
どうしても、彼女が消えてしまった瞬間が、脳裏を過ぎる。
音無は拳を握り締めた。この世界から、みんなを送り出す。そう決めた。
だから、彼女が此処から旅立って行けたことは、喜ぶべきなのだ。
自分にそう語りかける。そう納得できる、けれど、彼はどうなのだろうか。
良かったのか、と問いかけて。
良かったさ、と彼は笑った。
でも、それは本当なのだろうか。本心なのだろうか。
今の日向は、感傷に浸っている風に見えて、音無は口を噤む。
ぱしぱし。ぱし。ボールを投げながら、日向はふと微笑んだ。
「結婚が女の夢だなんて、あいつ意外とロマンチストだよなぁ」
自らその話題に触れる日向に、少なからず音無は驚いた。
ぱしり。日向はボールを投げるのを止めて、倉庫へ歩き出した。
少し遅れて、音無は日向の後に続く。
「…女の子なんて、そんなもんだろ」
「そんなもんか?」
「たぶん」
「…そんなもん、か」
ふーん、と空を見上げる日向。
無言のまま倉庫へボールを戻す。
教室へ戻ろうと歩いていた途中、グランドの真ん中で立ち止まると、日向は思い切り伸びをした。
「なあ、日向、」
「んあー?」
「お前、ユイのこと、」
好きだったのか。
そう問う前に、ひゅう、ひときわ強い風が吹き抜けていく。
日向は風が向かった先へ目を向けて、そして何も言えないでいる音無へ向き直る。
「逢えると思うか?」
「……」
「わかんないだろ。でも信じるのは勝手だから、いつか逢えるさ。約束したしな。とりあえず、俺は野球であいつんちの窓割らなきゃいけねー」
「ユイに怪我させたら感動ゼロだぞ」
「そりゃヤベーな。気をつけなきゃな、覚えてたら」
いつものように笑って、日向はくるりを背を向ける。
覚えてたら。
日向は、消え入りそうな声でそう言った。
それだけで、胸が締め付けられた。
校舎に向かって歩き出した彼の背中は、すこしだけ寂しげに、見えた。
■END
後輩くんに借りたAB!を日向の中の人目当てに見てみたら、流石は鍵、やはり泣いてしまったわよ…。
ゆりっぺが意外とヒロインっぽくなかった。鍵は世界観を理解しづらいかもしれない、私にとっては…。
第10話を見て、ひなユイ! きゃー! となった。
ぶっちゃけ日向←ユイ表現はあったけど、日向はそんなに表現してなかったよね、愛情。
告白には…ひあああ、ってなったよ。日向好きだ! 最初から好きでしたけどもっと好きだわ日向!
借りたBD全部見て、ひなユイに滾ったから書いてみたんですけど、日向もユイも掴めない(爆)
どの時点のお話にすればいいのやら…という悩みもありまして。原作主義なので一応…。
結局ユイが消えてしまった後のお話に。
ひなユイ、しあわせに、なってほしいな。
AB!の世界観は理解しきれていないけれど、来世ではどうか。しあわせに。
お付き合いありがとうございました。
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